伊藤忠商事、伊藤忠エネクス、INPEX、INPEXロジスティクスの4社は、再生可能資源由来燃料であるリニューアブルディーゼル(Renewable Diesel、以下「RD」)の日本初となるタンクローリー車での使用に係る協業に着手したと発表した。
<リニューアブルディーゼルを使用するタンクローリー>
これにより、INPEXロジスティクスは、伊藤忠商事が世界最大のリニューアブル燃料メーカーであるNeste OYJから調達し、伊藤忠エネクスが供給するRDを、北陸・甲信越地方で国産原油及び石油製品の輸送を担う18台のタンクローリー車の燃料として使用する。同地域でのRDの利用並びにタンクローリー車でのRD使用は日本初となる。
この取組に先立ち、伊藤忠商事はNesteとRDの日本国内向け輸入契約を締結、伊藤忠エネクスは国内のRD輸送及び給油に係る一連のサプライチェーンの構築を行った。この取組は、これらにINPEXグループが既に確立している北陸・甲信越地方を中心とした販売網を組み合わせることにより実現したもの。
今後4社は、INPEXロジスティクスが保有するタンクローリー車への継続的なRD供給及びその使用により、陸上輸送分野での脱炭素化を牽引していく。また取組を通じて、INPEXグループが有する北陸・甲信越地方を中心とするネットワークを活かしたRDのビジネス展開に向けた協働を進め、共にサーキュラーエコノミー及び脱炭素社会の実現に寄与することを目指していくとしている。
なお、NesteのRDは食品競合の無い廃食油や動物油等を原料として製造され、ライフサイクルアセスメントベースでのGHG排出量で石油由来軽油比約90%の削減を実現。RDは主に輸送用トラック・バス等で使用され、所謂「ドロップイン」燃料として、既存の車両/給油関連施設をそのままに利用開始することが可能で、既に欧米を中心に広く流通実績がある。脱炭素施策に係る導入コストを最小限に抑え、GHG排出量削減にも大きく貢献できる次世代リニューアブル燃料として、今後の陸上輸送分野での更なる利用拡大が期待される。