ソニー、モニタリング技術のSTATSportsを買収。スポーツデータ事業拡大へ、総合トラッキングソリューション提供目指す – PRONEWS : 動画制作のあらゆる情報が集まるトータルガイド

ソニーは、アスリートのパフォーマンスおよびコンディションのモニタリングソリューションを手掛けるSTATSportsグループ(以下:スタットスポーツ)を、同社の株式の過半数を取得することにより買収し、ソニーのスポーツ事業の体制を強化する。

スタットスポーツのソリューションは、GPSや心拍計、加速度センサーを搭載したウェアラブルデバイスを含む、正確で信頼性の高いアクティビティトラッキング技術により、70以上の分析指標をリアルタイムに処理することで、コーチへ即時にフィードバックを提供する。

同社は2008年の設立以降、National Football League(NFL)のワシントン・コマンダースやメジャーリーグベースボール(MLB)のロサンゼルス・ドジャースのほか、サッカーのアーセナルFC、リバプールFC、パリ・サンジェルマン、イングランド代表、ポルトガル代表、そしてラグビーのニュージーランド代表、南アフリカ代表といったナショナルチームなど、800以上の世界的なトップクラブやチームをサポートしている。さらに、アマチュアクラブやアスリート個人向けにも幅広い製品を展開している。

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ウェアラブルデバイスを着用するイングランドのハリー・ケイン選手(サッカー)

ソニーはスポーツ事業を成長領域と位置づけ、グループ会社であるHawk-Eye Innovations(以下:ホークアイ)およびKinaTrax(キナトラックス)のマーカーレス光学トラッキング技術により取得したスポーツデータの商用化に注力している。信頼性の高い審判判定支援サービスに加えて、同じくソニーのグループ会社であるBeyond Sports(ビヨンドスポーツ)のビジュアライゼーション技術を用いた新しいエンターテインメントコンテンツの創出に活用している。

今回の買収によりソニーは、ホークアイ等の光学トラッキング技術に加え、スタットスポーツのウェアラブルデバイスによる最先端のアクティビティトラッキング技術や分析ソリューションを活用した、総合的なアスリートのトラッキングソリューションを主要なスポーツのチームやクラブ向けに提供することを目指すという。これらはソニーのスポーツ事業に、パフォーマンス分析領域におけるスポーツデータの商用化と顧客基盤の拡大に向けた新たな可能性を創出するとしている。

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ソニー株式会社 執行役員の平位文淳氏は次のようにコメントしている。

平位氏:スタットスポーツがソニーのスポーツ事業に加わることは、ソニーが目指す包括的なスポーツデータビジネスの実現に向けた大きな一歩となります。アラン・クラーク氏をはじめとするスタットスポーツのチームと共に、両社の強みを活かすことで、アスリート、チーム、そしてファンを含む世界中のスポーツコミュニティに、技術革新による新たなスポーツの価値を提供できると確信しています。

STATSports CEO兼共同創設者であるアラン・クラーク氏は、次のようにコメントしている。

クラーク氏:スタットスポーツにとって、これは新たなステージの始まりです。私たちは2008年の設立時から、パフォーマンスモニタリング技術を通じて、チームやアスリートが最大限の力を発揮できるようサポートすることを使命としてきました。

ソニーの一員となることにより、私たちのウェアラブル技術とソニーの最先端のソリューションを融合させることで、その実現をさらに加速させることができます。ソニーと共に、パフォーマンス分析、アスリート育成、けが予防の新たな基準を打ち立て、スポーツファンの皆さまに対して、お気に入りのチームと新しいかたちでエンゲージメントを深める機会を提供していきます。